2020/12/29 17:05

「42歳 厄年。」

と言ったら、鳥肌実さんを思い出してしまうが、、。
まさに今年が私にとって42の年でした。

1月、そして2月前半はまあ、いつもと変わらずの日々を過ごしていて。ごく普通の滑り出しだった、2020年。
オリンピックもあるし、賑やかになるのかなあ、、なんて思って。
「英語のメニューを作っておくかあ」なんて考えていた。
(英語メニュー。いつもお世話になっているクララさんが、とんでもないクオリティのものを作ってくださった、感謝感謝。やっぱり凄い人だよナア。)

ただ、
「どうもおかしいな、、」
と思い始めたのが、ダイヤモンドプリンセス号が横浜で大騒ぎになり始めた頃。
相当危険なウイルスが広まっているみたい、、なんて言っていたらあれよあれよと世界中に広まり。
都市封鎖というちょっと信じられない事態が大都市で起こり始める。
SFみたいだったなあ。
誰もいないパリ・シャンゼリゼ通り。
誰もいないニューヨーク・タイムズスクエア。
すごかった。

まだその頃は、「新型コロナウイルス」ってのがどんなものかも分からず、どうやって感染するのか、予防だって手探りだったよなあ。
高齢者、何らかの疾患を抱えている人はとにかく注意。
酒飲みはダメ。
タバコも危ないらしい。
いろんな情報が飛び交った。
そして、心底バカバカしい、マスク買い占め騒動、トイレットぺーパー買い占め騒動もこのあたりで。
思えば、近所の中華料理屋さんやインド料理屋さんが、いつの間にかマスク屋になっていたなあ。
あの辺りの逞しさは素晴らしいヨ、ほんと。
でも、マスクやトイレットぺーパーを朝一で並んで買い占めていた年寄り連中はどうしたんだろなあ。
家ん中、いまだにペーパーだらけだろうに。
トイレットぺーパーなかったらキッチンペーパー買ってたもん。
悪い冗談だよ、ほんと。
オメーら、オイルショックだって経験してんだろ?
生きてきて、何を蓄積してんだか、、。
長生きの意味ってなんなんだろ。
うーん。

日本も緊急事態宣言か?
いつ発動するのか?
毎日、がやがや。
阪神大震災、リーマンショック、東日本大震災。
その時とは違う、ちょっと感じたことのない物々しい雰囲気とともに、店からお客さんがどっと消えていった。
予約が全部キャンセル。
昼も半分以下。
うーん、、。
「なんか、これはヤバイな、、」
そう思って、あちこちの金融機関にすぐ連絡して、とりあえず手持ちの現金を増やしておいた。
もー、これまで失敗ばかりの人生だから、ピンチの際の身の振り方だけは優れていて。
他よりも早く動けてホント良かった。
「これは大変だ、、」なんて信用金庫に出かけたものの、融資が最短で2か月後なんて言って持たなかった会社もあった。
失敗はしておくべきだ、、としみじみ。

お金は出来たけれど、しょせん借りたもの。
それも、店が信じられない勢いで暇になっていくから、あれよあれよと消えていく。
1週間くらい、夜誰も来なくて。
店で大音量でクラシックをかけ続けていたこともあった。
マーラー、シベリウス、チャイコフスキー。
好きなものをずっとずっと。
なんか、先があまりにも見えなくて。
放心していた。
歌詞のある曲でなくクラシックばかり聴いていた。
しばらく現実逃避。
なんも、出来なかった。
あの時間は、強烈に覚えているなあ、、。
なんだったんだろなあ、、。

そんななか、子どもの保育園が事実上登園停止となり。
オイラかカミさんがボウズを見ていなくてはならなくなる。
もしくは実家に預かってもらうか。
「さて、どうしよう、、」と言っているうちに緊急事態宣言。
店も、閉めざるを得なくなってしまった。

ま、持続化給付金とかも出るから、なんとかはなるのかな。
一人10万なんてのもあるようだ。
とりあえず、みんなのお給料だけは絶対に保全しなきゃ、、。
店は開けられないけれど、ハルと一緒に居られるんなら楽しそうだ。
せっかくの休みだから沢山遊んでよう。

ジャングルジムを買って、店に設置。
ドリルやお絵かき帳、ストライダーなども持ってきて、店を遊び場にした。
ミニ四駆とかも買ったなあ。
店を走らせて遊んだ、遊んだ。

そんな折、こしら師匠がちょこちょこ店にやってきて下さるようになる。
こんな頻度でお会いするのは、師匠が休業から戻ってきて以来。
何年前だろう。あの頃、よくお会いしていた。
(その時に、かしめちゃんが師匠の人間に深く触れ、入門に至ったわけだけどもね(⌒∇⌒))

いつだって、人の何歩先も見ている師匠。
その師匠が、
「これはどうなるんだろう、、」
と、暗い顔をされていた。
「まー、なんとかなるだろ」
とぼんやり思っていた自分は、そこで事態のマズさに改めて気づき、自分の中のホントの緊急事態のスイッチを入れることになる。

つづく